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疑 念 2

​科捜研嘱託実験1

​科捜研嘱託実験2

冬季間の車両ナンバー

この事件、そして裁判の中で裁判官が重要視したのは渡邉消防士の証言です。
彼は事件後に自らが関わって作成した火災原因判定書内において、現場で発見されたこぶし大に炭化した天井ボードは火災の残燃物が燻燃することにより継続して加熱され、そのような現象となったと結論づけていた。
然しながら証人として証言をした際には、判定書作成後にその内容に疑問を抱き後日訓練棟で着火剤やガスバーナーで実験したところ、アルコール系の着火剤で30分、ガスバーナーに至っては10分程度の加熱後、その部分に水をかけたら現場と同じようにこぶし大の穴が空いたと証言した。
同様の実験は科捜研が嘱託を受けあらゆる物質で天井ボードへの加熱実験を行い、現場と同じような状況を作り出せないと結論づけている。
弁護人は渡邉消防士の証言の矛盾を指摘したが、裁判官はこれを一切の黙殺した事実がある。
​(アップデート出来る容量の関係でPDFファイルは複数に渡る事をご容赦頂きたい)
科捜研が行った嘱託実験をあえて1、2と分けさせて頂いた。もちろんこれはひと綴りの証拠である。なぜ分けて掲載したのか。このプラボックスの実験だけが現場に則していないからである。
科捜研の実験ではプラボックスですら現場に出来たこぶし大の炭化は確認されていない。
​これは推測の域を脱していないが、仮にこの事実を途中から参戦してきた正検事が渡邉消防士に伝え、火災原因判定書に記されていた火災熱による原因という矛盾を突きつけこのようなストーリーに仕立て上げたのではないか?という疑念が湧いてくる。
この科捜研の事件が如何に不完全か説明しよう。
下のPDFをご覧頂ければ一目瞭然であるが、これは現場に見立てたセット、その合板にプラボックス単体を取り付け火を放っている。
しかし現場に取る付けられていたボックス内にはブレーカー、端子台、基盤、配線等可燃性のある部品が満載されている。
我々が燃焼再現実験を行った際は、現場の取り付けられていたウェルランド製エアブローコントロールボックスの型式を捜査資料の現場写真か割り出し、同型のボックスを入手した上で実施している。
我々の再現実験によれば火災熱で現場と同じようにこぶし大を炭化、そこに水をかけることで穴が空くことも確認している。
検察の立証及び消防士の証言の矛盾を頑なに認めない裁判官とは見ざる、言わざる、聞かざるの精神構造も持って公判に臨んでいるのであろうか?
さらに付け加えると、渡邉証言では仮にプラボックスから出火した場合においては、取り付けられている合板が燃え、その後上方の母屋や垂木、野地板と燃え移る事が推測されることから、敷梁側面が強く炭化することに整合性を見いだせず、同所からの出火の可能性を否定した。
科捜研の事件においても、我々の再現実験においてもプラボックスから出火した場合、一瞬合板に炎が回るがそれ自体が燃焼する、燃え落ちるということはなく、熱変形で落下したのち、いわゆる敷梁側面付近で燃焼を続けている。
従って敷梁側面の強い炭化の整合性もあり、その炎が敷梁を伝い2次的に上部の合板へと燃え移り、さらに上部へと延焼したという「事実」が最も整合性がある。
尚、科捜研の実験は天井ボードに対してのみ行われた事からご覧のように敷梁が存在していない。
​これによる熱変形で落下したプラボックスの炎が上部に延焼しないと勝手に思い込んでいる節が強いと推認される。
最後に火災発生後、初期消火に関わった従業員Sの証言を検証する。
同証人はガレージを監視する2台のカメラの存在を知っていた。
1台は車両のナンバーを映し、もう1台はガレージ全体を映し出している。
そしてその画像は普段は見ることはなく、何か問題が起きた時だけ録画してある画像を確認する、そのように証言している。
同業の目から見て明らかに違和感を覚える証言であった。
事件当時はかなりの降雪があったことは気象庁のデータからも明らかである。しかも気温も低い。
さて下のPDFをご覧頂きたい。雪国ではよく見かける光景である。
もうお気づきでしょう。そう、前後のナンバープレートは雪が付着し、低い気温、走行風によって凍りつくのが一般的である。
仮に何か問題が起きた時に後から記録された画像を確認して車両を特定することが出来るのであろうか?
また設置されていう監視カメラは暗視モードを搭載する赤外線発光型である。暗視モードではほぼ白黒の状態で映像は記録され、車体の色などは判別が難しいのが一般的である。
本題に戻ろう。特にこの業種は利用客と接することがないため犯罪の温床となりやすく、所轄警察からの車両ナンバー照会は数は少ないながらも確実にある。また利用客が客室は破損させた場合に、故意如何に関わらず利用者を特定する必要がある。
従って通常は利用客の車両が停まってるガレージまで赴き、目視でナンバーを確認する必要がある。
ナンバープレートに凍りつき付着した雪などは軍手をした手で落とし記録するという事も当たり前の作業となっている。
さて従業員S証言の真意はどこにあるのか?このような現実離れした証言をする必要がどこにあるのか?我々は限りなく偽証の疑いが高いのではないかと考えている。
​事件発生後からガレージ内のカメラ映像を確認した、という常識では考えられない証言の裏に潜む事実とは何なのか?
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