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疑 念
・物証無き事件
容疑は被告人が滞在していた103号室点検口から天井裏に侵入し、隣室105号室天井裏の浴室関連機器付近の敷梁北側を火元とする放火、及び同105号室点検口近くの天井ボードに高温の加熱を継続的に行い、約2平米を焼損させたもの。
然しながら侵入経路とされる天井裏からは指紋、手袋痕、払拭痕、繊維痕のいずれも見分されず、また被告人が開けたとされる103号室天井点検口にすら指紋、手袋痕、払拭痕、繊維痕の痕跡は発見されていない。
実行行為は特定されず、放火に用いたであろう物質(灯油やガソリンといった石油製品)も検知されていない。
動機に至っても明らかにされていない。そもそも本事件発生前日に、半年前から続いた近隣ホテルからの誹謗中傷掲示物を撤去せよとの簡裁仮処分最終審尋において、ようやく解決の目処が立った翌日にわざわざ放火などというリスクの高い犯行に及ぶだろうか?(簡裁仮処分申請は被告人が民事原告となっている)
・公訴事実(不起訴)
この事件の本質はスタート時点からおかしなことが沢山あった。被疑者は非現住建造物放火、建造物侵入罪で逮捕・拘留された。約3週間の拘留の後、処分保留で釈放され、それから約1ヶ月半後に建造物侵入でのみ在宅起訴された。つまりは非現住建造物放火については不起訴処分となった。
建造物侵入での公判が始まったのだが、公訴事実として被告人が放火の目的をもって103号室から105号室の天井裏に及んだとしたされているが被告人は否認した。そもそも放火を不起訴処分としておきながら、それを目的とした建造物侵入という矛盾に満ちた公訴事実はいったい何なのだろう?
・訴因変更(非現住建造物放火を公訴事実に追加)
第4回公判の後、検察審査会に被害者が申し立てた事により「不起訴不当」の議決がなされ、地検は追加捜査の結果、非現住建造物放火を公訴事実に追加する訴因変更の手続きを第5回公判において行ってきた。追加捜査とはいうが、その実態は従業員Sの証言を変節させ、消防士渡邉証人の証言も変節させる、ただそれだけであった。
ここで一つ大きな問題をはらんでいる事にお気づきだろうか?
「非現住建造物放火」、これは人の住んでいない建物に放火した時の罪名である。たしかに事件当時は被告人以外に建物内には人が存在していなかった。然しながら刑法では事件発生時に人がいる、いないは問題ではなく、普段人の出入りが存在す建物での放火は「現住建造物放火」となり、より重罪で裁判員裁判の形態となるのである。
なぜ本刑事訴訟は公訴事実を違えて裁判員裁判の形態を取らなかったのか?裁判員裁判となれば一般市民が裁判に参加をし、本刑事訴訟のように被告側の証拠を全て棄却するということがまかり通たのだろうか?
検察、裁判所は端から裁判員を排除するために、あえて「非現住建造物放火」で訴因変更を企てたのではないか?であるならば、この刑事訴訟はスタートから仕組まれていたのではないか?
・弁護側証人及び証拠の全てを棄却
これまで本サイトをご覧になった皆様はお分かり頂けていると思う。ドラマや映画の世界では検事と弁護人が双方の証拠を示し合わい、真っ向からぶつかり合っている。しかし現実は全く違うのである。証拠の採用、棄却は全て裁判官の裁量に委ねられている。
検事は刑事裁判のプロである。しかし裁判官はこの事件のように技術的な事には全くのど素人であると言える。検察、弁護側双方が証拠を出し合い、どちらの主張に整合性があるのか、真実はどこにあるのか、それを審理する場所が裁判所だと思っていたが、実際は検察と裁判官のエゴがまかり通る場でしかなかった。
ご承知の通り、一審、控訴審ともに弁護側の証拠は何一つ採用されず、全て棄却をされてきた。つまりは検察の証拠、検察側の証人の証言で判決が下される訳である。最高裁は法律違反があるかないかだけを審理するので証拠調べは事実上控訴審で終わりである。
検察が申請した証人たちは変節、偽証(の疑い)、見識不足な連中ばかりであった。しかし全て裁判所は採用した。我々に残されたのは被告人質問だけ。しかしそれも色眼鏡での質問ばかりで全く話にならなかった。
被告人自ら調べ上げたことを証言しても、検事から「伝聞」だと異議が入り、裁判長はそれを認めて証言すらままならない状況に追い込んだ。こんな裁判なら誰だって有罪に誘導できる。
・問題多き人物
北村隆正検事がまずは問題人物である。当初事件を担当していたのは渡邉副検事であった。彼は当初から放火の罪でも起訴する方向であったのだが、証拠が不十分であったことから、上役の北村正検事に判断を仰いだ。結果嫌疑不十分として不起訴処分の決定は北村正検事の方針であったとあとで耳にする。
ところが検察審査会の「不起訴不当」受けて全面的に出てきたのも北村正検事であり、追加捜査は彼が陣頭指揮を取った。そして自らが不起訴処分とした事件を追起訴したのである。検事の匙加減ひとつでどうにでもなるということなのであろう。
そして最も本件で問題視しなけれなならないのが納谷肇裁判官である。ここでこの裁判官の過去やこの裁判の中での訴訟指揮を書き始めたら、文字数がいくらあっても足りないので、「納谷肇」でネット検索して頂きたい。懲戒処分を受けてるは、常識では考えられないことを法廷で何度もやらかしている人物です。この本件については端っからやる気を見せてません。下っ端の裁判官に判決文を書かせ、判決公判の時には高裁民事部の判事として移動しており、判決文はその月にやはり移動してきた見たことも聞いたこのもない裁判長が代読するといった具合です。
納谷肇は1年ちょっと高裁判事をつとめ、いつの間にか退官しています。終始やる気を見せずに、いい加減に訴訟指揮をとってトンズラ、逃げ得は許せないと思います。
財界にいがた 2013.6号
納谷肇裁判官掲載記事
上記2件の記録、記事、そして本件裁判において共通して見えてくるのは、納谷肇裁判官という人間は結果ありきで判決まで一気に訴訟指揮を取るという傾向が非常に強い判事だと言えます。
被害関係者らの偽証の強い疑い、偽装工作を既に述べた通りですが、結局これらをスルーしたのも納谷肇の悪行です。検察側の証人でまともに証言をしたのは西村捜査員と鑑識係酒井証人だけだと思います。
火災のプロであるはずの消防士渡邉証人も食わせ者でした。彼の経験則は教科書に書いてある通りで、しかも途中からは北村正検事の意向に沿った証言に変節をしている点は許せません。被告人有罪ありきで進められた本裁判では、この消防士の証言が判決に大きく関わっていることは見逃せません。
・真相とは
被告人は訴因変更前に地検に呼び出され、北村正検事から取り調べを受け、いくつかの質問に答えた。検事から最後に「法廷で真実を明らかにしましょう」と微笑みながら語られ、それを真に受けた。
いざ訴因変更後の公判が始まったら真実を追い求めるどころか、検事の法廷テクニックと緊張感のない裁判官たちの馴れ合いの茶番に付き合わされた。
被告人が犯行現場にたどり着けない事実がここにある。しかし事件当時火災は間違いなく起きている。裁判所の認定するところの自然発火や電気的火災の可能性がないのであれば、やはり人為的な行為によるものだという事になる。であるならば真犯人は誰なのか?被告人を狙った犯行だったのか?被告人が103号室にいることを事前に把握することは出来るのか?ホテルガレージに仕込まれている隠しカメラを使えば不可能ではない。しかしこの辺で止めておく。憶測での記述は多くの問題もはらみます故に。
少なくとも裁判所が認定した「事実」と「真実」には大きな隔たりがあることは確かです。
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